食品衛生お役立ち情報

食中毒事故への対応




はじめに

万に一つ食中毒事故が発生した場合、どう対応するのか、どんな事になるのか、危機管理上、あらかじめ事故対応の流れを知り、備えが必要である。

そこで、食中毒事故の発生から事件の公表(完結)に至る手順、その間の飲食施設の対応の仕方及び保健所の関与、行政命令等について、例示しながら説明する。



(1)事故発生の届出及び探知

①保健所等(行政)からの通報
②有症者からの届出
③医療機関からの通報



(2)初動体制を組む

①重大な健康被害又はその恐れがある場合は、社長など最高責任者を中心に対策本部組織を設置し、迅速に対応する(事前に対策本部の組織図を作成しておく)。
②統括担当責任者を決める。
③窓口又は担当者を一元化して対応する。



(3)飲食施設が行う届出(有症)者への質問事項

①届出者の情報:住所、氏名、連絡先
②発症日時
③吐物、汚物、食品残品等の検体の有無(これら検体が有る場合は保管を依頼する)
④有症(症状)内容
⑤喫食した献立食と食材
⑥喫食日時及び人数
⑦医師による診断の有無



(4)飲食施設自身の対応

①届出者との電話対応等の内容を時系列に記録する。
②食中毒事故発生(疑いも含む)について保健所へ届出する(個人情報については同意を得る)。
③今後の対応策は保健所の指示に従う。その内容等を時系列に記録する。



(5)飲食施設が行う保健所等への報告事項の準備と原材料の保管

①当該者以外の者(グループ等)から同様申立ての有無を確認しておく。
②食中毒では無く、ノロウイルス等の感染症による症状であることも疑われる。従って、連絡当日から遡り2週間前後まで期間、当店舗施設内で、嘔吐、おもらし下痢便等の有無及び消毒実施の有無を、施設の日報等から調べておく。
③有症者が喫食した料理の提供食数と人数を調べておく。。
④有症者が喫食した献立表と盛合せ食材とその調理・保管方法及び調理終了時間等を調べておく。 ⑤検食を確保する。病原体の潜伏期間を踏まえ、保健所が検食検査できるように、保管中の検食は全て確保しておく。
⑥遡り2週間前後の、調理従事者全員の健康チェック表及び現在の健康状態を調べておく。
⑦当日の調理した原材料の在庫品が有る場合は、他店等への移動は禁止となる。併せて、在庫品は原因究明のために、必要に応じ検査対象となる(ヒスタミン等の原材料由来の事故の疑いがある場合等)。従って、在庫品は他店へ持ち出しなど移動せずに保管しておく。



(6)保健所が行う調査事項とその目的

①発病状況調査(発症日時、症状、発症パターン等から暴露時点の推定)
②喫食状況調査(患者の発症前喫食店舗等の行動と共通食の献立内容(原因施設の推定)+(共通食の推定)
③食品の調理工程(危害要因の究明)
④調理従事者の検便(原因物質の特定)
⑤検食及び施設の細菌検査(原因物質の特定)
⑥医師への面会調査(医師の診察、検便等の結果及び「食中毒患者届出票」の提出の確認
⑦利用者数、同様申立ての有無(原因食の絞り込み&原因施設の特定)
⑧施設・設備の衛生管理状況調査(「営業施設の基準」+「管理運営の基準」の規定に適合しているかの適否)
⑨従業員の健康調査(健康状態、化膿性疾患・ウイルス疾患等の有無、海外渡航歴等)
⑩原因が判明するまでの間、「営業自粛」及び「食品の販売と保管食材の使用禁止」を指導する(原因物質による被害の拡大防止)
⑪調理従事者の健康が確認されるまでの間、他店舗応援など「食品に係る作業への従事の禁止」を指導する(原因物質による被害の拡大防止)