発表力養成英語

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◆MLA Documentation
MLAスタイルの傍証 (in-text citations)




MLAスタイルの英語論文を書く際、引用、あるいは参照して作った文の直後に傍証 ( in-text citations ) を置く必要があります。

傍証は基本的に、次のような最低限の文献情報を提示します。

  

●著者の姓(ラストネーム)
●該当するページ番号

論文の最後に載せられる引用・参考文献リスト ( Works Cited ) には、著者の姓(ラストネーム)をアルファベット順に並べることによって、たくさんの、より詳しい文献情報が並べられています。

つまり、著者の姓(ラストネーム)を使って傍証と引用参考文献リストが呼応することにより、読者はその文献についてのより詳しい情報を引用文献リストから探し出し、参照することができます。

傍証の書き方は様々なケースによって、それぞれ違ってきます。





Part I: Basic rule for print and online sources

1.著者名が文に含まれる場合 (Author named in text)
引用、参照して作った文の中にその文献の著者のラストネーム(姓)を含ませる。そして、その文の直後にその文献の該当するページナンバーだけをカッコ内に入れて載せる。

  

About geological disposal, Atsushi Tateno, the former researcher of Japan Atomic Energy Research Institute, mentions “The period during which radioactive substance is isolated technically would be a few hundred years” (90).

<訳> 元・日本原子力研究所研究員である館野淳氏は地層処分について、「放射性物質を工学的に安全な封じ込めができるのはせいぜい数百年程度であろう」と述べています(90)


Hiroshi Tazaka, Ph.D. notes that since any prefecture doesn’t accept the building of the site of geological disposal, the location for the site of geological disposal must become the similar issue to the relocation of Marine Corps Air Station Futenma in Okinawa (49).

<訳> 田坂広志教授は、どの県も地層処分場の建設を受け入れないため、地層処分場の場所決めは沖縄普天間基地の移設と同様の問題になるに違いないと指摘しています(49)




2.著者名が文に含まれない場合 (Author not named in text)
引用、参照して作った文の直後に、その文献の著者のラストネーム(姓)と該当するページナンバーの両方をカッコ内に入れて載せる。

  

Theoretically, it is in 50 to 60 years that in a “high-speed” breeder reactor the quantity of plutonium doubles (Nishio 170).

<訳> 理論上、 “高速” 増殖炉の中でプルトニウムが2倍の量になるのに50~60年の時間を必要とします(西尾 170)。

(注:引用府は、皮肉を暗に意味することを示すために使われます。)




3.著者名が文献に載っていない場合 (Author unknown)
完全なタイトルを文中に含んでもいいし、カッコ内に短縮して載せてもいいです。

下記の例は、記者名なしの日本経済新聞の記事を(自分の言葉で)要約した文です。

  

The Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT) in Japan is supposed to undertake building an experimental facility for the technology of nuclear transmutation at Tokaimura in Ibaraki prefecture in fiscal 2016 and to start operation during 2020’s (“Nuclear Trash” 14).

<訳> 文部科学省は、2016年度から茨城県東海村にて核変換技術の実験設備の建設に着手し、20年代に運転を開始する予定です(“核のゴミ” 14)

記事の完全タイトルは『「核のゴミ」低リスク化――加速器活用、中性子を照射』です。英語のタイトルは “Nuclear Trash: Making Nuclear Wastes Low-Risk by Using of the Accelerator and Irradiating Neutrons” と自分で直訳しました。ですので、傍証のための短いタイトルは “Nuclear Trash” です。





Part II: Variation on the basic rules

4.二人の著者の場合 (Two authors)
二人の著者の場合は、それぞれの著者の姓(ラストネーム)をカッコ内に表示します。

  

Since the United States is supposed to dispose the spent nuclear fuel by building a deep geological repository without nuclear reprocessing, spent nuclear fuel means high-level radioactive wastes; since Japan is supposed to execute the nuclear reprocessing for all the spent nuclear fuels and to retrieve plutonium from them, spent nuclear fuels mean resources (Noguchi and Tateno 121-122).

<訳> アメリカは使用済み核燃料の再処理を行わずに地層処分する方針であるため、使用済み核燃料は高レベル放射性廃棄物を意味します。日本は全ての使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを回収する方針です。したがって、使用済み核燃料は資源です(野口 and 館野 121-122)


However, Rokkasho Reprocessing Plant was built on the assumption of Magnitude 6.5 at the maximum (Kaito and Fukushima 132-139).

<訳> しかし、六ヶ所再処理工場は、最大マグニチュード6.5の想定で建てられました(海渡 and 福島 132-139)




5.三人の著者の場合 (Three authors)
三人の著者の場合は、それぞれの著者の姓(ラストネーム)をカンマ ( , ) で区切り、カッコ内に表示します。

  

<例>
(Noguchi, Takahashi, and Tateno 121-122)




6.四人以上の著者の場合 (More than three authors)
四人以上の著者の場合は、タイトルの最初の著者の姓(ラストネーム)を表示し、ラテン語で “and others” を意味する et al. をその後に付け加えます。

  

<例>
(Noguchi et al. 121-122)




7.繰り返される同じ文献からの引用、参照の場合 (Repeated citations from the same source)
同じ文献を繰り返し引用、意訳、あるいは要約を行う場合、何度も著者の姓(ラストネーム)をカッコ内に表示する必要はありません。ページ番号だけで十分です。

  

     Nuclear reprocessing is the process to retrieve plutonium from spent nuclear fuels; the plutonium is used as nuclear fuels for a breeder reactor. The following is the concrete process of nuclear reprocessing. First, the bars of the nuclear fuels are cut. Then, the cut bars are dissolved in strong nitric acid (Sawai 26-28). Second, by using organic solvents and diluents, the strong nitric acid solution in which the bars of the nuclear fuels are dissolved is separated into three solutions: the nitric acid solution of uranium, the nitric acid solution of plutonium, and the nitric acid solution of nuclear fission products (26-28). Third, nuclear fission products still remain in the nitric acid solution of uranium and the nitric acid solution of plutonium; the nuclear products are removed by purifying. Because Japan government wants to avoid the international criticism that Japan stores plutonium in order to produce atomic bombs, the purified nitric acid solution of plutonium is mixed by the purified nitric acid solution of plutonium half-half (26-28). Finally, the strong nitric acid in the purified solutions is removed; moreover, the rest are processed to oxide acid. Then, the powder is stored (26-28). Thus, the concrete method of nuclear reprocessing consists of simple ways on high school chemistry level.

<訳> 再処理とは使用済み核燃料からプルトニウムを回収する処理のことです。プルトニウムは高速増殖炉の核燃料として使われます。再処理の具体的な仕組みは下記の工程になります。最初に、使用済み核燃料棒が細断されます。それから、その切断された燃料棒は濃硝酸に溶かされます(澤井 26-28)。二番目に、溶媒と希釈剤を使って、使用済み核燃料棒が溶解した濃硝酸溶液を三種類の硝酸溶液(ウラン硝酸溶液、プルトニウム硝酸溶液、そして核分裂生成物)に分離されます(26-28)。三番目に、ウラン硝酸溶液とプルトニウム硝酸溶液の中に核成生物がまだ残ります。その核成生物は精製によって取り除かれます。「日本は原爆を作るためにプルトニウムを貯蔵している」という国際的批判を日本政府は避けたいため、精製されたプルトニウム硝酸溶液は、精製されたウラン溶液と半半に混ぜられます(26-28)。最後に、精製された溶液から硝酸が取り除かれます。さらに、残りを酸化物粉末にします。そして、その粉末は貯蔵されます(26-28)。このように、再処理の具体的な方法は高校化学レベルの単純な方法でできています。

同じ段落内である限り、最初に傍証においてその文献の著者の姓(ラストネーム)を表示した後にその後に出てくる傍証において著者の姓(ラストネーム)が省略しても、読者は同じ著者の文献を繰り返し参照していると自動的に理解でき、混乱は生じません。




8.他の文献を引用した文献の場合 (Source quoted in another source)
その著者が他の著者の言論を引用、参照して作った文を、今度はあなたが引用、参照した場合、あなたは間接引用 ( quoting from indirect or secondary source ) したことになります。

ちなみに、以下の英語名称は混同しがちなので注意してください。

  

●direct quotations (引用文)
●indirect quotations (意訳文) ( paraphrases )
●indirect citations (間接引用文)
●in-text citations (傍証)

間接引用文の傍証の書き方は、 “quoted in” を意味する qtd. in をカッコ内に付け加えます。

  

In Tou-ou Local Newspaper dated March 24, 2000, Masatoshi Toyoda, the ex-president of Japan Nuclear Fuel Limited (JNFL), says, “JNFL unwillingly works for the nuclear reprocessing. We seem to be reaping the harvest of Japanese government’s wrong policy. Even though this wrong policy stems from a failure of Atomic Energy Commission, there is no one who accounts for this failure” (qtd. in Sawai 74-75).

<訳> 元日本原燃サービス社長である豊田正敏氏は2000年3月24付け東奥日報にて、「再処理事業は仕方なしにやっている。国の誤った政策のしりぬぐいみたいなものだ。これは原子力委員会の失敗だが責任を取る人は誰もいない。」と述べています(qtd. in 澤井 74-75)

あなたが間接引用を行った場合、原典を自分の引用・参照文献リスト ( Works Cited ) に載せる必要はありません。原典ではなく、「原典を引用した文献」の方を自分の引用・参照文献リスト (Works Cited) に載せます。



追記
下の写真の書籍 easy Writer by Andrea A. Lunsford はアメリカの高校生がレポートの書き方を学ぶために学校で使っている教本です。アメリカ人の知り合いに「高校でこの教本を使っていた」と教えてもらいました。

英文法、句読点、文の構造、リサーチの仕方、文献リストの書き方を英語でわかりやすく解説しています。やさしい単語で書かれているため、日本の中学英語で普通に読み進めることができます。そして、「アメリカの高校生も日本人と同じように英語学習に苦労しているのだなあ」とうれしく(?)思うと思います。

手元に一冊置いておくと、英文法、句読点、文の構造のわからないところ、忘れたところをすぐに確認できます。お勧め本です。